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【オクシズコラム⑲】山里の祈り~節分のオニオドシ~

節分といえば豆まき!

最近は「恵方巻」も節分の風習として

全国的に定着しつつありますね。

でも恵方巻は、

もともと主に関西方面で行われていた行事。

    

静岡にも、昔ながらの独特な風習がありました。

   

そのひとつがオニオドシ(鬼おどし)です。

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メカゴタテ(目籠立て)と呼ぶ地域もあります。

   

軒先に目の粗い籠を掲げて、鬼を払う行事です。

   

数年前になりますが、

オクシズ井川地区で、オニオドシ作りを見せてもらいました。

用意するものは、籠と竹竿、ハナノキ(コウバナ)とビンカです。

    

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籠にハナノキとビンカを結び付け、竹竿に吊るして軒先に立て掛けます。

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井川では、あまり高くに掲げません。

竹竿を使わず軒下に吊るしているお宅もありました。

    

籠と一緒に飾る植物も、地域によって異なりますが、

トゲのあるヒイラギを用いるところが多いようです。

このオニオドシ、静岡県の中西部に広く見られる風習で、

かつては山間地だけでなく平野部でも盛んに行われていました。

   

一方、静岡県の東部から関東方面では、

2月8日、いわゆる事八日(ことようか)の行事です。

     

東部の伝承には、「目一つ小僧」という妖怪が登場します。

事八日にやって来る目一つ小僧が、悪さをしようと家に近づきますが、

目籠をたくさんの目と見まちがえて、恐れて逃げ帰るというのです。

    

前回紹介した小正月のダイノコと比べても、準備にあまり手間はかかりません。

地元で昔から受け継がれてきた節分行事、皆さんも一度やってみませんか?

      

   

※そのほかにもヤイカガシといって、イワシの頭をあぶって軒先に刺すことで、

 鬼を払うという節分の風習もあります。

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2月11日(祝)の「オクシズの夕べ」は、"梅ヶ島の山の恵みを楽しむ会!!"

オクシズ推し!のお蕎麦屋さん

「在来蕎麦たがた」を会場に定期的に開かれている「オクシズの夕べ」。

     

12月、1月はお休みでしたが、2月は久々に開催されます!

    

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開催日は2月11日(月・祝)。

梅ヶ島地区にスポットをあてることになりました。

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安倍奥の温泉郷として広く知られる梅ヶ島。

その豊かな自然の中で育まれた食材を、

"たがた"で味わうことができます!

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ぜひご参加ください!

※参加には、事前予約が必要です。

     

「オクシズの夕べ―梅ヶ島の山の恵みを楽しむ会―」

日 時:平成31年2月11日(月・祝)15:00~16:30

会 場:在来蕎麦たがた 静岡中田店(静岡市駿河区中田4-10-27)

内 容:Point1 梅ケ島のアレコレをわさび農家の杉山さんに聞いてみよう!

Point2 梅ケ島のおいしい素材を味わってみよう!

Point3 【夕べ限定】お店に出ない稀少な「オクシズの在来蕎麦×たがた」を堪能しよう!

    

メニュー:・梅ケ島の新鮮わさびでいただく里いも

・素材を味わう梅ケ島の手作りこんにゃく

・梅ケ島しいたけの一品

・オクシズのお蕎麦

・梅ケ島×ちゅるりん麺

   

定 員:30名

参加費:3,000円

申込方法:メールにて申し込み

     (一社)しずのわ e-mail:shizunowa@gmail.com

2月3日(日)きよさわ里の駅「ぼたん祭り」開催!!

平成31年2月3日(日)、きよさわ里の駅にて毎年大好評の『ぼたん祭り』が開催されます!

「ぼたん」と言っても、植物ではなく今年の干支「イノシシ」の肉のことなんです。

イノシシの肉が「ぼたん肉」と呼ばれるようになった由来は諸説あるそうですが、そう呼ばれるようになったのは江戸時代で、当時は獣肉を食べることが禁じられていたため、当然イノシシの肉も食べてはいけないもの。そのため隠語として猪肉を「ぼたん」と呼ぶようになったと言われています。他にも馬肉を「さくら」、鹿肉を「もみじ」と植物の名に呼び名を変えて呼ばれており、それが今でも残っているようです。

そして、そのぼたん肉をおいしくいただくイベントがこのぼたん祭りです!

当日は猪肉コロッケ、猪肉まん、猪肉おでんなど、この時期にしか味わえない季節限定品が店頭に並びます!

その他、大人気の焼きたて「よもぎきんつば」や地元のきよさわレモンを使った「ぶっかけレモン」「レモンキャンディ」もおすすめです♪♪

ぜひ、ご家族・ご友人とご来場ください!!

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日 時:平成31年2月3日(日) 10:00~13:00

場 所:清沢ふるさと交流施設「きよさわ里の駅」(静岡市葵区相俣200番地)

主 催:NPO法人フロンティア清沢

問合せ:きよさわ里の駅 ℡054-295-3783

第2回焼き畑フォーラムが開催されます!

3月16日(土)、静岡県男女共同参画センター「あざれあ」にて、第2回焼き畑フォーラムが開催されます。

 

全国から北は山形、南は熊本、宮崎などから焼き畑農法に取り組む8つの団体が集結し、各地の活動について発表するほか、有識者の方々をお招きしてのトークセッションなどが予定されており、「焼き畑」を軸にして里山再生・地域振興などを考えるプログラムとなっています。

 

オクシズでも葵区井川地区では毎年焼き畑に取り組んでおり、昨年からは焼き畑を体験できるイベントなども開催されています。フォーラム当日には、それらの取り組みについて発表予定です!

 

また、会場内では普段なかなか市場に出回らない焼き畑農法で栽培された在来作物なども販売されるそうなので、焼き畑農法や在来作物に興味がある方、ぜひご参加ください!

 

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今年の「日向の七草祭」は2月11日(祝)開催です!

市内唯一の田遊び系の民俗芸能として知られる

「日向の七草祭」(動画リンク)

毎年旧暦の1月7日に行われていますが、

今年の祭日は2月11日です。

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田遊びとは、

年の初めに稲作の工程を、予め演じることで

その年の豊作を願う伝統的な芸能で、

「日向の七草祭」は静岡県の無形民俗文化財に指定されています。

今年の開催日はちょうど祝日。

ぜひ、お出かけください!

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<日程>

平成31年2月11日(祝・月)

 10:00~ 日の出の祈祷

 18:30~ 夜祭り(芸能の奉納)

 ※いずれも会場は福田寺観音堂(静岡市葵区日向)

第6回オクシズ森林の市開催!

2019年1月27日()第6回オクシズ森林の市を開催します。

オクシズの「」をテーマにした毎年約3,000人が訪れる大人気イベント。

伐倒実演や木工体験、クイズにワークショップ、中山間地域のおいしい農産物加工品も大集合!

今年はキャンプ体験ドローン操縦体験など、新たな出展も増えています。

井川から来た雪で遊ぶミニ雪山体験や景品付き(先着順)のスタンプラリーもあり、お子様が無料で楽しめるコーナーも充実しています!

臨時駐車場も設けておりますので、皆様のご来場を心よりお待ちしております!

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■日 時   平成31年1月27日(日) 10時00分から15時30分

■場 所   静岡市林業センター及び千代みどりの森

        (静岡市葵区千代538番地の11)

■主 催   オクシズ材活用協議会 広報部会"ききしず"

        URL:http://www.kikisiz.jp/

■お問合わせ 静岡市中山間地振興課

        TEL:054-294-8807  FAX:054-278-3908

【オクシズコラム⑱】山里の祈り―小正月のお飾り―

オクシズでは、小正月に

ヌルデの木を使って様々な飾り物を作ります。

写真はダイノコという作り物です。

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オクシズ各地でみられる特徴的な作り物ですね。

正月の門松のように、2本を対にして門口に立て掛けます。

静岡県東部では、カドニュードウ(門入道)という

目鼻口を描いた人形のようなものを飾るところもありますが、

安倍川や大井川の上流部のダイノコは、

三方を薄く削りかけたシンプルなものです。

三方を三重に削っています。

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通常は、このように上部の角を削り落としますが、

忌みのある年は削らないのだそうです。

     

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目を入れる地域もあります。

     

この形にどんな意味があるのか、わかっていません・・・。

ヌルデの木は柔らかく、

加工しやすいという特徴があります。

ダイノコの他にも、

ケズリバナ(削り花)や

アーボ、ヘーボと言われるアワやヒエの穂を模したもの

そして臼や杵などをヌルデの木で作ります。

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写真は井川のアーボ

いずれも豊かな稔りを願って飾られる小正月の作り物です。

    

有東木では、小正月の朝、

小さなダイノコで、柿の木を叩きながら、

「ダイノコ、ショーノコ、成るか成らぬか

 成らにゃー 首を切ってチャーレ、チャーレ」

と唱える風習もありました。

     

さて、ダイノコやアーボ、ヘーボなどの作り物は、

小正月の前日に作って飾り付けるのですが、

ダイノコには、その日の夕方、お供物を供えます。

    

オクシズ井川地区のうち

小河内集落のお供物はハタキモチです。

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米粉を固めて作る、いわゆるシトギで、

米の古い食べ方を伝えるものとされています。

   

モチ米ではなくウルチの米を水に浸し、

乾いたところで臼と杵で搗きます。

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1回ではすべて粉にすることはできません。

フルイにかけて、何度も搗きなおし、

きれいな米粉になったところで、

今度は水を加え、こね固めていきます。

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小河内では、小正月だけでなく、春秋の氏神さんのお祭りでも、

このハタキモチを作って、振舞うそうです。

生のままで食べても、焼餅にしても、美味しく食べることができます。

同じオクシズ地域内であっても、ところ変われば風習もさまざま。

皆さんの地域の小正月の過ごし方も、ぜひ教えてくださいね!

【オクシズコラム⑰】いにしえの仏たち~中野観音堂の仏像群~

大井川最上流部、オクシズ井川地区には

集落ごとにお堂があって、お正月にどのお堂でも

「お籠(こ)もり」という行事が行われてきました。

お籠もりとは「縁日」、

つまりはお堂で毎年行われる"お祭り"のことですね。

かつては、どの集落のお堂にも

世襲で堂守をつとめる別当(べっとう)さんがいて、

地域の人々と一緒に夜どおしお籠もりをしたのち、

夜明けとともに御本尊の御開帳を行っていました。

今でこそ、"夜どおし"ということはなくなりましたが、

それでもお籠もりの日には人々が集まり、

御本尊に村の安泰や家内の安全を祈願する行事を続けています。

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なかでも、井川本村にある中野観音堂のお籠もりは、

(またの名を御堂山観音堂ともいいます)

とくに大勢の参詣者が訪れることで知られています。

中野観音堂の御本尊は千手観音菩薩。

そのほか4体の仏像も安置されていて、

いずれもなんと平安時代中期、

今からおよそ1000年前に造立されたものです。

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なぜ、このような立派な仏像が井川の地に祀られるようになったのか。

その来歴については、はっきりしたことがわかっていません。

地元では、「先祖が井川まで背負って運んできた」と伝えています。

その際、「先祖は里芋を食べながら峠を越えてやってきた」

ともいわれていて、それにちなんだのか、

中野観音堂の大切な供物は、里芋に味噌をつけた芋田楽です。

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芋田楽は御本尊である千手観音像の前に供えられるだけでなく、

参詣者にも振舞われます。

「この芋田楽を食べると一年間風邪をひかない」

とも言い伝えられていて、

芋田楽のお振舞いを楽しみに

お籠もりにやってくる村人も大勢います。

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中野観音堂は、

かつて金の採掘が盛んに行われていた

九両峯(クリョーミネ)という場所へと通じる

旧道沿いに位置するお堂です。

そうした場所にこのような立派な仏像が祀られているということが

金で栄えた井川の歴史を象徴しているともいえるでしょう。

かつては、お籠もりの最後、

夜明けとともに、

扉の向こう側からほんのちょっぴり覗くことができたという

御本尊、千手観音菩薩ですが

今は、お籠もりが始まると同時に御開帳されるので、

しっかりといにしえの美しい姿を拝見することができます。

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中野観音堂のお籠もり日は、毎年1月6日。

今年(平成31年)はちょうど日曜日にあたります。

県の文化財にも指定されている「木造千手観音立像」を拝観する

一年一度のチャンスですので、ぜひ参拝してみてください。

<県指定有形文化財 木造千手観音立像ほか仏像群の御開帳>

日  程  平成31年1月6日(日)夜

場  所  中野観音堂(静岡市葵区井川)

※1 当日は積雪も予想されるため、自家用車で向かわれる方は

チェーン等のご用意をお願いいたします。

※2 南アルプスユネスコエコパーク井川ビジターセンター前の

駐車場に車を止めていただくと、当日はそこから中野観音堂に

向かって提灯が掲げられています。

それを頼りに10分程度山道を歩くと観音堂にたどり着きます。