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【オクシズ・コラム⑦】山里の祈り―"へそ餅"と"ぬすっと晩"―

秋の夜長、団子や芋、ススキを供え、十五夜の名月を楽しむ。

皆さんは、この昔ながらの風流な行事を、

今も続けていらっしゃいますか?

静岡市周辺では、

この月見に供える団子の形が一風変わっています。

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"へそ餅"です。

米の粉を平たく丸め、その中央をへこませたもので、

12個、あるいは13個作って供えるものとされてきました。

このへそ餅、全国的にみても珍しい形をしていて、

静岡県中西部を中心とした地域にのみ伝承されてきた

特別な供え物です。

さらに、

安倍川流域、藁科川流域の山間地では、

この日、子どもたちがへそ餅をもらい歩くという

風習が残っています。

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今でこそ、お礼をいいながら各お宅を巡るのですが、

古くは勝手にもらっていくものだったそうです。

なかには、

「ほふく前進で縁側に近づいていき、

 長い棒で突き刺してへそ餅を盗んで回った」

といった思い出を語る古老もいました。

藁科川流域では、今もこの行事のことを

「ぬすっと晩」と呼んでいます。

せっかく用意したお月見の供え物を、盗まれたと気がづけば、

盗んだ子供たちは、さぞかし怒られただろうと思いきや、

家の大人たちは見て見ぬふりをしているものでした。

むしろ、

供え物だけでなく、たとえ畑の作物が盗まれたとしても、

縁起が良いとされていたようです。

我が国では、

「七つまでは神の子」などと言われるように

子どもたちは、神に近い存在と考えられてきました。

収穫を間近に控えたこの時期に、

子ども達を神とみたて、豊かな実りを祈る。

月見の"ぬすっと晩"は、

そんな思いを込めた行事だったのです。

ところで、

中藁科地区にある「水見色きらく市」では、

中秋の名月に合わせて、へそ餅を販売しています。

その名も「家康の盗っ人へそもち」。

家康の盗っ人へそもち.jpg

きらく市の皆さんが、

地元の小学生と一緒に開発した新名物です。

ぜひ味わってみてくださいね!

お問い合わせ:

水見色きらく市

電話054-279-0766(火・木曜定休)