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【オクシズ・コラム⑤】民話の里をたずねて―井川の怪力男てしゃまんく―

平成30年9月29日(土)、30日(日)

静岡浅間神社を会場に開催する「オクシズ縁劇祭」では、

オクシズに伝わる民話を題材にした舞台が上演されます。

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優れた舞台作品を創造し、国内外から高い評価を受けてきた

SPAC―静岡県舞台芸術センターと、

オクシズの伝統文化との夢のコラボ企画です。

オクシズ・コラムでは、

オクシズ縁劇祭で上演されるオクシズの民話を、

紹介していきたいと思います。

今回紹介する民話は、

「"てしゃまんく"と浅間さんの石鳥居」

大井川上流域には、「だいだらぼっち」など

大男や力持ちにまつわるいくつもの民話が残されてきました。

中でも、オクシズ井川地区では、

"てしゃまんく"、"力次郎衛門"、"とくせい婆"

と、三つの伝説があります。

そのうち

「オクシズ縁劇祭」に登場するのは、"てしゃまんく"。

三人の力持ちの中でも、

特に怪力男として語られてきたのが"てしゃまんく"です。

しかも、静岡浅間神社にまつわる

こんな物語も残されています。

 むかし、井川に力自慢の"てしゃまんく"という人がいた。

 足も達者で、大日峠を越えて駿府へ行き、

 どっさり買い物を背負って、

 その日のうちに井川へ帰ってくることもできた。

 ある時、浅間神社の前を

 いつものように大きな荷を背負って歩いていると、

 大勢の人が騒いでいる。

 "てしゃまんく"が「何だろう」と思って、のぞいてみると、

 大勢の石工が集まって、石鳥居を組み立てているが、

 大きな石材がビクともせずに、困り果てている。

 もどかしく思った"てしゃまんく"は、「やれやれ」と

 ひとりで石材を持ち上げ、石鳥居を建ててしまった。

 この時、"てしゃまんく"が、まっすぐに立てなかったために、

 今でも浅間神社の石鳥居は少し傾いているのだという。

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静岡浅間神社のうち、長谷通り側に面して立つ

石鳥居にまつわるお話です。

かつて井川には、持子(もちこ)と言って、

大きな荷物を背負い、山から山へ運ぶことを生業にしていた

人々がいました。

すべてを人力で動かしたり、運んだりしなければならなかった

山の人々にとって、

何十人力ともいわれる力持ちの存在は憧れでもあったのでしょう。

一方で、この物語は、

オクシズと静岡の町との交流の足跡もうかがわせます。

静岡浅間神社は、信仰の場である一方、

山や海から様々な物や人が行き交う交易の中心地でもありました。

オクシズの人たちにとって、

「まち」といえば静岡浅間神社界隈のことをさしていたようで、

「浅間通りに行けば、なんでも買い揃えることができた」

と古老は語ります。

まさに静岡浅間神社は、

静岡市民にとって物心両面における拠り所であったといえるのです

さて、井川地区のうち、

"てしゃまんく"の故郷である田代集落には、

"てしゃまんく"の墓が、

もう一人の怪力男"力次郎衛門"の墓ととも祀られています。

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てしゃまんくは、今でも井川の人々にとって特別な存在です。

田代には、「てしゃまんくの里」というおでん屋さんがありますし、

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井川の加工所「アルプスの里」の名物は、

"てしゃまんく"をイメージした力豆餅!

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そのほか、"てしゃまんく"のイラストの入った

Tシャツなどもあります。

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一方、田代の北はずれにある薬師堂の境内には、

"てしゃまんく"ではなく、

"力次郎衛門"が持ち上げたという

力自慢の石も残されています。

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みなさんも、今度、井川を訪ねる際には、

ぜひ力持ちの伝説を意識しながら、

地域を巡ってみてくださいね!