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【オクシズコラム⑰】いにしえの仏たち~中野観音堂の仏像群~

大井川最上流部、オクシズ井川地区には

集落ごとにお堂があって、お正月にどのお堂でも

「お籠(こ)もり」という行事が行われてきました。

お籠もりとは「縁日」、

つまりはお堂で毎年行われる"お祭り"のことですね。

かつては、どの集落のお堂にも

世襲で堂守をつとめる別当(べっとう)さんがいて、

地域の人々と一緒に夜どおしお籠もりをしたのち、

夜明けとともに御本尊の御開帳を行っていました。

今でこそ、"夜どおし"ということはなくなりましたが、

それでもお籠もりの日には人々が集まり、

御本尊に村の安泰や家内の安全を祈願する行事を続けています。

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なかでも、井川本村にある中野観音堂のお籠もりは、

(またの名を御堂山観音堂ともいいます)

とくに大勢の参詣者が訪れることで知られています。

中野観音堂の御本尊は千手観音菩薩。

そのほか4体の仏像も安置されていて、

いずれもなんと平安時代中期、

今からおよそ1000年前に造立されたものです。

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なぜ、このような立派な仏像が井川の地に祀られるようになったのか。

その来歴については、はっきりしたことがわかっていません。

地元では、「先祖が井川まで背負って運んできた」と伝えています。

その際、「先祖は里芋を食べながら峠を越えてやってきた」

ともいわれていて、それにちなんだのか、

中野観音堂の大切な供物は、里芋に味噌をつけた芋田楽です。

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芋田楽は御本尊である千手観音像の前に供えられるだけでなく、

参詣者にも振舞われます。

「この芋田楽を食べると一年間風邪をひかない」

とも言い伝えられていて、

芋田楽のお振舞いを楽しみに

お籠もりにやってくる村人も大勢います。

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中野観音堂は、

かつて金の採掘が盛んに行われていた

九両峯(クリョーミネ)という場所へと通じる

旧道沿いに位置するお堂です。

そうした場所にこのような立派な仏像が祀られているということが

金で栄えた井川の歴史を象徴しているともいえるでしょう。

かつては、お籠もりの最後、

夜明けとともに、

扉の向こう側からほんのちょっぴり覗くことができたという

御本尊、千手観音菩薩ですが

今は、お籠もりが始まると同時に御開帳されるので、

しっかりといにしえの美しい姿を拝見することができます。

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中野観音堂のお籠もり日は、毎年1月6日。

今年(平成31年)はちょうど日曜日にあたります。

県の文化財にも指定されている「木造千手観音立像」を拝観する

一年一度のチャンスですので、ぜひ参拝してみてください。

<県指定有形文化財 木造千手観音立像ほか仏像群の御開帳>

日  程  平成31年1月6日(日)夜

場  所  中野観音堂(静岡市葵区井川)

※1 当日は積雪も予想されるため、自家用車で向かわれる方は

チェーン等のご用意をお願いいたします。

※2 南アルプスユネスコエコパーク井川ビジターセンター前の

駐車場に車を止めていただくと、当日はそこから中野観音堂に

向かって提灯が掲げられています。

それを頼りに10分程度山道を歩くと観音堂にたどり着きます。