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【オクシズコラム⑭】山里の祈り―野田平の送り神―

「送り神を送れ、送れ送れ送れよ、

 今年の節季はどうするだ、どうにかこうにか送らずよ」

年の瀬の寒空にこだまする「送り神」の唱え事です。

      

静岡市街地から安倍川を30分ほどさかのぼり

賤機都市山村交流センター「安倍ごころ」(葵区牛妻)を

通り過ぎたあたりから

前方の山の中腹に野田平の集落がみえてきます。

    

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野田平は「のたひら」と読みますが、

地元では「のんだいら」とか「のんでーら」

と呼んだほうがなじみ深いようです。

ここ野田平に「送り神」(動画有)と呼ばれる

珍しい民俗行事が伝えられています。

毎年12月14日の夜、村の人々が集まり、

竹と棕櫚(しゅろ)の葉で作った輿(こし)を担いで

村はずれまで練り歩くという行事です。

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「送り神を送れ!」 大きな声で唱えながら、大人も子供も一緒に練り歩く

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手作りの輿(こし)

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最後に輿を村はずれにおさめる

     

輿の中には、馬にまたがった武者の藁人形が

納められています。

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またハナイネといって、洗米を和紙に包み、

身体をなでて穢(けが)れをはらったものも輿の中に納めます。

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送り神という行事は、静岡、長野、愛知一帯で

とくに盛んに伝承されてきました。

子どもたちが、竹笹で家々の軒先をはらい回ったり、

鉦(かね)と太鼓を鳴らしながら藁人形を引いてまわったり

と、祭りの形も地域ごとにさまざま。

野田平では12月14日を祭日としていますが、

他地域では「コト八日」の日に行われるのが一般的です。

    

コト八日とは、

12月8日と2月8日を指しています。

わが国では、この日を特別な祭り日としてきたようで、

とくに厄除けの行事を行う地域が広くみられます。

      

静岡市内の送り神は、

「手作りの輿をこさえ、輿の中に藁人形を納める」

というところに特徴があります。

かつては、オクシズのみならず、

市街地でも盛んに伝承されていたという記録があり、

まさに静岡市を代表する民俗行事の一つでした。

しかし、今も続けているのは

野田平だけとなっています。

      

人々が忘れかけている民俗行事。

野田平では、

その年の厄をはらい、新たな年を迎える行事、

また、地域に暮らす人々の親睦も兼ねた行事として、

今も大切に受け継がれています。

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